只今夏休み中。なので、主にデビュー当時のものですが、藤井聡太四段(当時)がドキュメンタリーなどで語った言葉をまとめて記録しておこうと思い立ちました。
まずこの名言から:
2017年夏に書いた記事の中にも少し入れているのですが、他の話題の一部に書き足した形となっているため、藤井七段語録としてこちら別記事に書き直します。
NHKスペシャル(2017年7月8日放送)『徹底解剖 藤井聡太ー進化する14歳』から。
藤井七段本人の他、対局した棋士、関わりのあった棋士達の言葉も出てきます。
プロ棋士になったばかりの藤井四段(当時)が杉本先生と歩いて、行きつけのラーメン屋さんへ入るところからドキュメンタリーは始まりました。
大盛りのチャーシュー麺を注文。
(NHK :ラーメン好きなんですか?)
プロになりたてで、まだインタヴューなど慣れていないですよね。
カメラの方を向かず、恥ずかし気に。はにかみ笑いがまだ可愛い。
『素顔は人見知りの中学生です。』などと紹介されてました^^。
ここで羽生九段のコメントが入りました。
『あの完成度はちょっと信じられない・・』
さらに渡辺(現)3冠のコメントも挿入されました。
『ただ普通に勝つより、起死回生の逆転勝ちみたいな。
華があるっていうか、スター棋士の条件を満たしていますね。』
メインタイトルです。
スタジオでは佐藤天彦九段、杉本昌隆八段がご出演。
天彦先生:
『羽生先生もおっしゃっていたように、非常に完成度が高い。特に終盤力の強さ。』
終盤力の強さを培ったひとつの要素は詰将棋ということで、2017年3月の詰将棋選手権の様子が流れました。
制限時間より一時間も前に部屋を退出する当時中2の藤井四段。
優勝しました。表彰される藤井四段。小6以降、3連覇達成でした。
そしてインタヴュー。『望外』でした、と^^。
まだ頬がふっくらしていて、あどけなさ、がありますね^^
時間は遡って2016年12月24日のプロデビュー戦が近づいた頃、自宅でインタビューに答えています。
相手の研究より、ひたすら詰将棋を解くことに時間をかけている様子。
『本当に強くなるには、自分で考えるしかない。』
この言葉、私的にはとても胸の奥に響きました。
誰かの影響による考えなのか、自分でたどり着いた考えなのか。
語り方もそうですが、藤井四段(当時)から発せられる言葉はそのまま掛け値なしの真実で、心の奥の方から湧いてくる藤井聡太という人の言葉で、とても胸に届きます。
そのプロデビュー戦の日が来ました。
お父さんに伴われて千駄ヶ谷の将棋会館に入る藤井四段。対局相手はもちろん加藤一ニ三先生!
デビュー戦を終えて後のインタヴュー:
『加藤先生の迫力は本当に感じたのですけど、でもそれに押されてしまっては良くないので・・・』
(80手目、相手陣地深くに銀を打ち込んだ時のこと。)
『将棋は盤上の勝負です。』
『そこでしっかり勝負しようと思いました。』
『攻め合い負けすることはない、と思っていました。』
『あれ以上受けてもそんなに良くならない局面ですので、攻め合いはむしろ必然でした。』
『感覚も多少ありますけど、読みによるところが大きいです。』
86手目、初めて王手。ここから王手をたたみ掛け、王を陣地から引っ張り出す。
試合開始後10時間43分(20:43)加藤先生投了でした。
デビュー戦を振り返ってのこのインタビュー。
弱冠14歳の人の言葉とは思えない。
深いし、重いし、凄味さえあります。
年が明け2017年1月1日、ご実家近所の神社でしょうか。『野田八幡宮』へ初詣。
お父さん、親戚の人たちと一緒。
『大吉』を引いて満面の笑み。
(NHK: 何て書いてあるんですか?)
『我が好きなことをするべし。』
(NHK: それは何ですか?)
『もちろん将棋です。』
『願い事は何を?』
ここで冒頭の言葉です。
これは頭クラっとします。
だから・・・
杉本先生が見せているのは、藤井四段が初めて書いた詰将棋の色紙、だそうです^^
若干書き直している^^ところが可愛い。
『藤井君が苦しいと言った将棋も、もう本当に微差。全然負けとかそういうレベルになる将棋が、ほぼなかったんですね。ちょっと強すぎないか、急激に強くなり過ぎてないか、なんてちょっと不気味な感じでしたね。藤井四段の場合は詰将棋で地道に築いてきた力、+ AIの力で独特の進化を遂げたのではないでしょうか。』
話題変わってAbema企画『炎の七番勝負』です。第7局の相手は羽生先生。
対局後の羽生九段の言葉:
『27手目の4五桂は今までのセオリーでは、ちょっと考えられない一手です。』
『非常に現代的なスピーディな将棋だな、という印象は持ちました。』
『けっこう大胆だなと思いました。』
最後に話題はAIソフトの影響についてに移っていきました。
藤井四段には、AIソフト使用をある時期まで、控えるように言っていた、という点について尋ねられた杉本先生は:
『AIソフトを使うと得るものも多いですが、積み上げてきたものが壊されてしまう、という不安もありまして。藤井は順調に伸びてきていたので、敢えてそれを取り入れる必要はないのでは、と思ったのもあります。同時に彼の持っている勝負師としての本能のようなものが、ソフトを使うことで何か濁りが出てしまうのではないかな、という思いもありました。
使い始めて一年、とまだ浅いと思うのですが、もっと早くから始めてもよかったかな、とも思います。』
杉本先生の、間近で見ている師匠だからこその配慮、将棋界の宝物を預かったという責任感など、ヒシヒシと感じるお話でした。
スタジオで話は続いていきましたが、語録はここまで。
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お話変わって・・・
2017年9月3日に行われたNHK杯、森内九段との対局は異例の生放送でした。
当時の司会は藤田綾女流でした。
『森内九段の印象は?』
『あ、はい、森内先生は居飛車党で大変重厚な棋風という印象です。』
『本局の抱負は?』
『あ、はい、本局は生放送で大変注目される舞台なので、全力を出し切りたいというふうに思っております。』
話の前に『あ、はい、』がついていて、可愛らしかった^^です。
藤田女流『すごくしっかりしたコメントでしたね。』
佐藤九段『本当に若さに似合わずしっかりした答えで感心しますね。』
中村太地先生『その中にも少しあどけなさも見られて、対局時のキリっとした表情との違いもまた楽しんで頂けたらなと思いますね。』
と、とても微笑ましい対局前のシーンでした。
明日、NHK杯に登場しますが、対局前の受け答え、どう進化しているのでしょう^^。
楽しみに待ちます!