藤井聡太七段、朝日杯二連覇でしたね~。勝利直後に、や~すごい~!!と歓喜したかったのですが、何しろインフルエンザで倒れていた一週間でしたので、出遅れて今になってしまいました;;;
この驚きのニュースは、自分のインフルエンザの様子と共に(^^;丁寧に記録して残しておきます^^!
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10日の夕方から発熱、連休明けの12日に医院でA型インフルエンザと診断を受け、仕事は全休で、イナビル吸入して寝込むことに。喉の痛み、咳、鼻ともに酷い状態に。
14日にやっと平熱に戻ったものの、喉の痛み、咳、痰など引き続き酷く、17日までは床上げ出来ず、でした。
それでも朝日杯当日16日は、横になりながら(^^; 9時半過ぎからAbema TVライブへ。
解説は深浦康市九段、高見泰地叡王、山口恵梨子女流二段、和田あき女流初段の4人。
10:00前、舞台上で何やら打ち合わせをする藤井七段と行方八段が映りました。二人とも緊張した面持ちです。
その後、カメラが控室に切り替わり、隅に座る千田翔太六段が映りました。対局者4人が揃い、10:00からこの部屋で振り駒が行われました。記録係の若い女性が狭いテーブルの上に駒を投げて・・・行方八段、渡辺棋王の先行が決まりました。
は~、こんな風にしているのだ、と舞台裏を覗いた気分でした。
準決勝の相手、行方尚史八段は朝日杯第一回優勝者という実力者。詰将棋も得意という渡辺いっけいさんそっくりな方です(と、私は以前から思っていた(^^♪)
舞台上で渡辺ー千田戦、藤井ー行方戦が10:00からスタート。
背中合わせのすぐ近くで対局なんですね。去年は違い階、違う部屋だったと思うけど、今年は公正を期して、かな?今年は変わっていました。
渡辺―千田戦はどんどん進み、終盤に入るころになっても一方の藤井―行方戦はまだ序盤といったところ。
先に終局した渡辺、千田ペアは大盤解説場へと移動。5分程の感想戦後、囲み取材に応じていました。
13:00少し前に藤井ー行方戦も120手で終局しました。
やっぱり大盤解説会場へ降りてきて5分程の感想戦後、囲み取材。決勝相手が渡辺棋王と聞いて、その印象を尋ねられた藤井七段:
『渡辺棋王は最近非常に充実されているので、大変な強敵ですが挑戦者の気持ちで戦いたいと思います。』などと落ち着いて語っていました。
『藤井さんとの初対戦が決勝戦という形で実現。楽しみにしています。ホールの大勢のお客様の前で、注目度を感じながらやれれば、と思う。』
と述べていた渡辺棋王でした(^^♪。
もう13:30頃だったので、この後お昼だったのでしょうか。食後多少時間ゆっくり出来たでしょうか。慌ただしいですよね~、試合後のインタヴュー。
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決勝戦は14:30からでした。
翌日の17日、体調不良のまま寝床で決勝戦の映像を何回か見直したのですが・・・
まず惚れ惚れするのは、あの落ち着きぶりですね。
昨年の朝日杯の時も感じましたが、有楽町朝日ホールは藤井七段を神々しくさせてしまう、一段高みへ誘ってしまう魔物のようなものが棲んでいるのでしょうか?
あの舞台上の藤井七段の表情は人の子とは思えない光を放っていましたよ。いや、嘘じゃなく(^^;
スッとあのひと時だけこの世から離れて別世界へ行っていませんか?
・・と思えるような近寄りがたいオーラを放っていました。
咳でぜーぜー言いながら、その不思議魔力に魅せられて、力を得ていたように思いますよ。
絶好調を伝えられていた渡辺棋王を(深浦先生によると)『追い詰め苦しめ』128手で勝利を収めたのでした。
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深浦九段、高見叡王、和田女流初段の解説は掛け合いがとても面白く、軽妙で楽しいものでした。
(写真と下の会話は合致してないですが、こんなお話を聞きながらの観戦でした^^)
和田女流『先生、形勢はどうですか?』
高見先生『形勢はハッキリとは言えませんが、どちらかに傾きつつありますね。』
和田女流『どちらに?』
高見先生『どちらかというと・・・後手ですね。』
と言った高見先生の言い方が可愛かった(^^♪
記事などで『藤井七段が一瞬の隙をついて攻めに転じそのまま押し切った』となっているその一瞬の隙というのは、渡辺棋王の85手目『五6銀』のこと?のようでした。
深浦先生が『これ、どうだろう・・ちょっと微妙な厚みですよね・・あまり、なんかいい手じゃないような予感がしますね。』と言ったらしたあのポイント。
その直後、藤井七段が三5金と打って。
深浦先生が『これは何か一瞬の隙を藤井さんが捉えたんじゃないですかね。渡辺さんが頭を抱えていますよ。』などとおっしゃっていた。
盤面さらに進んで、92手目藤井七段の六4銀には
高見先生『大人ですね、本格派ですね。』
深浦先生『味わい深いですね~、この銀は。先ほどの五7銀が悔やまれますね。』
(何がどう味わい深いのか、素人には分からないこの六4銀には、感嘆の声しきり)
藤井七段の五5銀に、
深浦先生『渡辺さん、苦しそうにしていますね。こんな苦々しい表情する人でしたっけ。初めてみますね。』
高見先生『そうですね、いつも軽快な感じの方なのに。』
96手目、藤井七段の八5歩に
深浦先生『(予想手と)うわ~、全然違うんですけど。』
高見先生『先生、形勢判断は?』
深浦先生『一手前に聞いてほしかった。』
高見先生『いや、カンペ出たんで。』
深浦先生『絶妙のタイミングですね、八5歩といいカンペといい。』
などとワチャワチャに^^
深浦先生『高見さんの形勢はどうですか?』
高見先生『まあ、後手が・・藤井さんがリードしてるかな、と。』
深浦先生『60秒とは思えない大局観ですよね。』
高見先生『羨ましい落ち着きですね。』
深浦先生『いやいや、高見さんは高見さんのいいところがあるので。』
高見先生『落ち着きがないんです。棋風は今のままでいいと思ってるんですが、ただ落ち着きが本当に羨ましい。』^^
いよいよ終局間近となって解説は深浦先生と和田女流に交代しました。
深浦先生『後手優勢は間違いないでしょう。(逆転の可能性は)率直に言うと厳しいかなと思いますね。一手緩めば、というところですが、緩みそうにない。
しかし絶好調の渡辺さんを相手にどういうことでしょう。連覇が見えてきましたね。
確かに攻守のバランスが絶妙なんですよ。』
藤井七段の四4飛車に
深浦先生『うわ~、え~ッ!派手ですね、藤井さん。』
和田女流『かっこいい手が出ましたね。』
そして藤井七段の128手目、五7銀で渡辺棋王投了となりました。
深浦先生、最後のコメント:
『いや~、すごい内容も良かったですね。
相雁木の長い戦いとなって、暗闇を目印なしに歩いているような状態が続きましたね。途中、五6銀と厚みを築いたのですが、あの辺りがポイントとなって藤井さんペースになったと思いますね。』
深浦先生総括:
『藤井七段の終盤の寄せが見事でした。藤井さんの強さが際立った二局でした。来年は打倒藤井の戦いとなるでしょう。』
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この後大盤解説会場へ移動でした。
佐藤名人と渡辺棋王が主に喋っていましたが、佐藤名人が途中で藤井七段にも質問してくれて。
肝心な内容はよく分からないのですが(^^; 藤井七段の耳が真っ赤だなあ、ということだけ気付きました(^^;
そして足元はスニーカー(^^♪
渡辺棋王:
『昨日からイメージトレーニングをしてきました。決勝を控えた昼頃、結構緊張していました。あらためて頑張らねば、と思いました。』
佐藤名人:
『期待の二人の決勝戦になったと思う。非常に高いレベルの将棋でした。』
代表質問の際、渡辺棋王の印象を問われて藤井七段:
『練習を含めて対局したことがなかったので、楽しみな気持ちが強かったです。朝日杯はトップ棋士の先生と対局が出来て、自分が成長出来たのではないかと思います。来年のことは考えられないですが。
振り駒が全て後手番だったので、来年は先手番が出てほしいです。公開対局が朝日杯の特色で、皆様に観ていただくので良い将棋を指さねばと思います。
賞金は、ひとまず貯金してからゆっくり考えたいなと思います。』
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さらに中日スポーツを貼ります。地元紙ならではの話題も載っていました^^。
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最後に杉本先生と一緒にAbemaTVのインタヴューにも答えてくれていました。
自身のニュースを伝える号外を持って(^^♪
おめでとうございます!そして、お疲れ様でした。
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最後に、18日の情報番組に出演した杉本先生が興味深いことを述べていらしたので書き取っておきました。
『(藤井七段は)辛抱強く粘り強く指していたな、というのは印象でしたけれども、渡辺さんとの将棋に関しましては、一手角を使う五5角という非常に難しい手がありまして、控室の棋士達も意味が分からなかったです、あまりに難しくて。私も藤井七段に後で聞いたんですけど、聞いたけどやっぱり分からなかった。今も私も分かってないんですけど。あの手をさせるのは今の元気な藤井七段しかいないのかもしれないですね。
何か新しい技というか、ひとつ覚醒したのかなとも思いました。
本人としては、この場面ではこうやるべきだった、というのがあったみたいですね。』
(連覇すると思っていましたか?)
『正直連覇するとは思っていなかった。難しいだろうと思っていましたけれど、もっと弟子を信頼しておけばよかったと。
渡辺さんは今手がつけられないほどの強さですが、その人をして『終盤戦特有の力を見ることが出来ず早々とためにしてしまった』と言わしめる藤井七段の今の強さですね。』
杉本先生の指摘していた五5角が気になって、棋譜で40手目の五5角を見直しみました。藤井七段は、その4手後に三3角に戻しているのですが。
これが謎の手か~、なんてね。そのうちどなたかが解説解明してくれるのでしょうか(^^♪ 説明されてもさっぱり分からないでしょうが、興味深い話でした。
だれもまだ足を踏み入れたことのない領域にまで分け入っていきつつあるのでしょうか。これからも日々進化し続ける藤井七段、目が離せません。
映像や記事を沢山見聞きしたので順番などごちゃごちゃになっているかもしれませんが、なにしろインフルエンザ予後に元気を与えてくれた出来事でした。
予防接種はここ4,5年、毎年11月中にちゃんと受けていたのですが、昨年はなぜか受け損ねてしまいました。今年はきちんと受けて備えねば、と思います。
さて、また明日から通常生活に復帰です。