11月19日、ついにやってきた王将戦挑戦者決定リーグ最終戦。
大勢の報道陣が詰めかける大注目の一戦でした。
形勢が何度も入れ替わって勝敗の行方が分からない激戦でしたが・・・。
藤井七段が126手で投了。広瀬章人竜王に敗れ、初のタイトル挑戦は今回果たせませんでした。あ~、残念、無念。
タイトル挑戦最年少記録が掛かっていたためNHKニュース欄のも載るほどの注目度でしたけど、やっぱりタイトル挑戦への道はとっても険しいんですね。
だ・け・ど、目指しているのは、そういう最年少記録のような数字を塗り替えることじゃなくて、強くて良い将棋を指す棋士、長い期間第一線で活躍する棋士、何回もタイトル挑戦、いくつものタイトルを獲得する棋士のはず。A級棋士ばかりのリーグ戦で4勝2敗という成績を残して来年のリーグ戦残留も決めた、ということだけでも凄い!また来年も、この豪華な顔ぶれの棋士達がひしめくスリリングなリーグ戦を見られるのか、と思うだけで楽しみになります!
(あ~、だけど、やっぱり残念・・・)
投了シーンはホント悔しそうでした。
アウェイ雰囲気の中、しかもすごい過密スケジュールを縫って戦った広瀬竜王は、やっぱり冷静で強い棋士でした。当然ですけど(^^;
こうなったら王将戦タイトルも奪取してくださるよう応援します!!藤井七段の分まで頑張ってくださ~い。名人戦第4局もこの勝利をきっかけに盛り返していけるよう応援しています!!
終局後ネットニュースであちこち拾い読みしたところ、悔しい理由が分かりました。
例えば松本博文さんの記事のこの一文。衝撃でした。
『二転三転の末に、最後は勝勢の藤井七段が王手に対する受けを誤り、頓死。126手で広瀬竜王の勝ちとなりました。』
どの一手か、というと
『龍で藤井七段の玉に王手をかけます。ここで玉をかわせば、藤井玉に詰みはありませんでした。しかし藤井七段は一分将棋で秒読みの中、歩を合駒しました。これが痛恨の落手。藤井玉には、詰将棋のような詰み手順が生じています。』
ここの歩での合い駒が落手、だったらしい。
産経新聞の記事では:
『持ち時間の大半を使い果たしながら、終盤で広瀬竜王に対し、一時勝勢となった。しかし激しい王手の掛け合いの中、思わぬミスが出て惜敗した。』
将棋チャンネルの解説では、その見落としについては言ってなかったんですけど。
解説は藤井猛九段、聞き手は中村桃子女流。
藤井猛九段の本局総括は:
『終始広瀬竜王がリードしていたけれど、一分将棋になってから、藤井七段のさすがという追い込みで。まあ、普通は逆転されてますね、あの流れでいくとね。いや、しかし踏ん張った、最後ね。逃げ切りましたね。本当にひっくり返ったんじゃないかと思いましたけど、そこは竜王しっかり踏みとどまって勝ち切りました。』
とのことでしたけど、逆転の手筋があって、それを時間が無くなっていた藤井七段が見落としていたとは。記事を読んで初めて知りました。
かの人気youtuberアユムさんも、終局後すぐに速攻でその点を指摘した動画をアップしていました。
(これは16:00過ぎの解説ボード)
藤井九段の解説は、軽い話は聞いていて面白いのですが、詳しい解説となると???『大変だよ・・よく分からない・・・色々スジがあって・・・いや、よく分からない・・・逆転したかにみえましたが・・・いや大変だ・・まだまだ・・きわどい終盤戦だ・・』みたいな。
唯一聞き取れたのは『先手が勝つ可能性は相当ありますよ、これ。』
他は何かゴチャゴチャ独り言のように言っていて興奮気味^^。私のように素人の見る将は置き去り。。。でした。
最終盤でも『あれ、詰まないかな、詰んでもおかしくない、詰んでる雰囲気が出ている、あ!詰まないかな、やっぱり詰んでるかな、これ、本当に詰んでるかな、いや詰んでるかもしれない』とかなんとか、かんとか"(-""-)"
藤井七段の将棋は格別複雑で解説も難しいのでしょうが、もっと分かるように解説してー!と叫びたかったデス"(-""-)"。
は~、でも藤井九段に八つ当たりしても仕方ないですね、すみません(^^;。
急遽千代田区で行われた大盤解説会場には佐藤康光会長に加え、なんと羽生先生が千駄ヶ谷から駆けつけて解説してくれていた!
羽生先生をして『これはどちらが勝ってもおかしくない』と言わしめていた激戦なので、形勢判断は何とも言いようがなかったんですね。
スマホ片手に成り行きをチェックしていた佐藤会長、藤井七段の投了を告げると、会場には拍手が起こりました。
最後の最後、敗戦を悟ったように藤井七段はウェットティシューをおもむろに取り出しお顔を拭ったので、ああ投了の準備だわと、観ているこちらも悟りまして、心の準備をしました。。。
126手で投了でした。
終局後、藤井七段のコメント:
『少しでも嫌みをつけないと勝ちにはならないと思い、局面を複雑にしようとしていた。最後(局面を)難しくできたと思ったが時間が無く、分からなかった。
最後に間違えたのは残念だが、結果としてこれが実力かな、と思う。また実力を高めて頑張る。』
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朝から落ち着かない一日でした。
録画しながら時々将棋チャンネルを覗いて過ごした一日を記録しましょう^^
生観戦できたのは夜7時頃からでした。
9時半過ぎに入室した藤井七段、続いて広瀬竜王が入室。
記録係のお隣では糸谷八段が羽生先生の到着を待っています。
窓側にもカメラマン達。こんなに間近でバシャバシャ撮られるのって、どんな気分でしょう(>_<)。
藤井七段はもう慣れっこでしょうけど。
10:00キッカリに対局開始。
注目の初手は7六歩!
開始後まもなく、窓の外に目をやる藤井七段
14:00前後、ほとんど点対称の盤面!?こんな進行もあるのね。
14:00過ぎの様子。この日はよくハンカチで顔を覆う姿がありました。
咳も時々してましたね。
2時少し過ぎに、スペシャルゲストで杉本八段が登場!
やっぱり弟子の様子が気になって上京してくださっていたのでした^^。
『これは藤井七段のペースですね、先の久保九段戦のような。』などと弟子の肩を持つような解説。先生~ (^^♪
7ニ歩の意味など解説、藤井七段が一つ新しい手をみせたので、広瀬竜王がこれにどう対応していくか、と今後の見どころなど語って10分程で退出してしまいました。もっと聞きたかったです。
2時半頃の時点で残り時間に約1時間の差がついていました。
(藤井七段1時間50分程、広瀬竜王3時間弱)
夜7時半近く、終局間近です。7九飛→6七玉とした後の広瀬竜王6九龍の王手。
ここで歩で合い駒したのが、後で分かったことだけど、間違えだったらしい。問題の一着。
解説の藤井猛九段が『あ、詰まないかな、やっぱり詰んでいるかな』と呟いていたところ。
投了直前の盤面。この後126手で投了でした。
大変な数の報道陣に囲まれて対局後のインタヴュー。
今春、B級2組昇級を逃した時もそうでしたが、あと一歩という経験を少しづつ積み重ねながら、ますます強くなっていく藤井七段をこれからも応援していきます。
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